こどものアトリエ
真空時間
ーあそびの研究所ー
2016年より山間の古い家屋をセルフリノベーションしながら、音楽家の夫、6さいの娘、3匹の
ねこたち(時々4匹)と共に暮らしてきました。2020年、コロナ自粛期間の生活を経て、きっとこれからも完成することのない、変化し続けるこの途上の空間が、こどもたちのアトリエにもなったらいいなぁ! と、想い始めました。春は、庭や山にも出て行きましょう。冬は、氷や雪でどんな遊びが生まれるでしょうか。何もないような、すべてがあるようなこの場所が、これから、こどもたちのクリエイティブな遊びで溢れていったら素敵だなぁと、わくわくしています。
方針
わたしの目には、こどもたちは全員、何かを作ったり、描いたり、想像したり、壊したりするような、クリエイティブな遊びが大好きなように映ります。それが何故、大人になると大半が苦手意識を持つようになるのか。こどもを観察するにつれ、成長過程での「評価」の仕方と深い関わりがあるのではないかと考えるようになりました。
創作に答えはありません。自分の中にある、自分だけの答えに向かって、それぞれが迷い、感じ、考え、選択し、工夫しながら実行していく行為です。それは特別なことではなく、ごく日常的な営みです。時には勇気のいることですが、恐れず自分の物差しで考えてみてほしい。そんな手助けができたらいいなと想います。
ここでは、優劣をつけるために他者がいるのではなく、それぞれの特性を認め合うために他者がいるのだと考えます。
また、道具の安全な使い方、モノを大切に扱うこと、使い切ること、簡単な片付けなど最低限のこと以外は教えず、自分で発見する喜びや驚きを大切にしたいと考えます。テーマに沿って上手に作り上げることよりも、個々の発想や、失敗しながら自分で考え、工夫していく過程を重視します。そのため、大人からすると唖然とするようなものが出来上がったり、出来上がらなかったり、時には家に持ち帰れる作品が無いこともあるかとは思いますが、どうぞ、ご容赦ください。
ひとりひとりをよく観察し、それぞれが自発的になれるような、好奇心をくすぐるテーマや環境を用意していくことが、わたし自身の課題です。
2022年4月より「こどものアトリエ 真空時間」に「あそびの研究所」という言葉を加えることにしました。研究とは、まだ誰も知らない答えを見つけ出すことです。対してお勉強は、誰かが出した答えを学ぶこと。どちらもとても大切なことですが、ここでは、一緒に手を動かしながらじっくりと観察し、いろんな実験を通して面白いことを発見する「あそびの研究」をします。